アポロ11号の月着陸で宇宙飛行士に憧れた当時、不思議だったのは、宇宙でアームストロング船長たちは何を食べているのか、だった。既に日本人飛行士が相次いで宇宙に飛び立つようになった今では、宇宙食にも日本食が登場し、アストロノーツ以外にも手に入る「夢ではない」食べ物になっている。

　宇宙食用に開発したレトルト食品「SPACE CURRY（スペースカレー）」（525円）を、ハウス食品は一般向けにも売り出した。さすがにスーパーの店頭には並ばず、同社サイトでの通信販売や、一部の宇宙関連施設での限定発売だ。若田光一飛行士の国際宇宙ステーションでの長期滞在時には実際に宇宙船に積み込まれる可能性のある本物の宇宙食が口にできる。

　宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）が国内の食品メーカーに開発を委託した「宇宙日本食」の１つ。ＪＡＸＡが認定した宇宙日本食29品目のうち、一般向けに商品化されたのは「スペースカレー」が初めてだ。
一見、普通のカレーのようだが、スペースカレーは通常のルーよりも５割増しの粘度を持つ（写真提供はハウス食品、写真はビーフカレー）

　飛行士は地上時よりも強めの味を宇宙空間では好むという。無重力の関係で味覚が鈍化するというのが理由だ。こうした特殊事情を考慮して、「スペースカレー」も味は辛め。同社のレトルトカレーの辛み順位５段階のうち、「４」に当たる。無重力で弱くなるがちな骨を強化するカルシウムを加えている。ウコン（ターメリック）も多めにした。

　特に工夫したのは粘り気。無重力空間ではルーが飛び散りやすくなるので、通常のルーよりも５割増しの粘度を持たせた。銀色のパッケージやロゴの字体も何とも言えず未来っぽい。

　開発したルーはビーフ、ポーク、チキンの３種類。ただ、市販されているのはビーフだけだ。国立科学博物館（東京・上野）のほか、元宇宙飛行士の毛利衛さんが館長を務める日本科学未来館（東京・台場）、宇宙関連の研究施設であるＪＡＸＡ筑波宇宙センター（茨城県つくば市）などの売店で販売している。

　「宇宙日本食」に合格したのは、ほかにマルハの「サバの味噌煮」、日清食品の「しょうゆラーメン」、理研ビタミンの「わかめスープ」、三井農林の「粉末緑茶」など。山崎製パンのようかんも宇宙食の仲間入りを果たした。
日清食品が開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」

　日清食品が開発した宇宙食ラーメン「スペース・ラム」は2005年、野口聡一さんとともにスペースシャトルで宇宙空間に飛び立った実績がある。ラーメンはめんが散らばってしまわないように、一口サイズの塊に整えてある。スープにはとろみをつけた。

　ただ、私たち日本人にとって、宇宙食は実は40年近く前からおなじみだった。宇宙食にヒントを得て開発されたという、世界初のレトルト食品が「ボンカレー」（大塚食品）。言われてみれば、あのアルミパウチに入った外見はいかにも宇宙食っぽい。

　最近はアルミパウチ容器入りのゼリー状フードが増えてきた。森永製菓の「ウイダーｉｎゼリー」でおなじみだ。60年代初期の米国の有人宇宙船「マーキュリー」に搭乗した飛行士は、歯磨きのチューブのようなアルミ容器から練り物やペースト状の宇宙食を吸い込んでいた。ＪＡＸＡのサイト内にある「宇宙映像館」では、宇宙食の変遷が年代記風に解説されている。
ビー・シー・シーの通販サイト「宇宙の店」で販売しているたこ焼きとスペースライスケーキ

　宇宙関連商品を製作・販売するビー・シー・シーの通販サイト「宇宙の店」では、宇宙食感覚の様々な食べ物がそろう。同サイトでは食べ物以外にもスペースシャトルのプラモデルや、宇宙服のレプリカなども扱っている。

　フリーズドライのたこ焼き（525円、４個入り）は愛・地球博でも人気を呼んだ。えびグラタン（同）、杏仁豆腐（630円）も同じくフリーズドライなのに、ちゃんとそれらしい味がするのが面白い。大学いも、キムチ、プリンも同じ「SpaceFoods」シリーズでラインアップされている。
ビー・シー・シーの通販サイト「宇宙の店」で販売しているアイスクリーム

　アイスクリームは冷たくないのに、口溶けはアイス風。スペースライスケーキは要するに餅だ。スイーツ類ではチョコレート、チョコレートケーキ、ロールケーキなどが販売されている。

　ちょっと変わったホームパーティーの仕掛けとして使うのも面白いかも知れない。ただし、あくまでもおまけのサイドディッシュにとどめておくのが無難。星を観る夕べや、宇宙を舞台にした映画の彩りに使えば、気分が盛り上がるだろう。
